OSS Gateのワークショップに参加してきました


昨年末あたりから"OSS Gate"というキーワードをちらほらと見かけており、どういったものなのか検索したら立ち上げの背景の話を見つけまして、非常に興味を持っておりました。

自分自身、Linuxディストリビューションで利用できるデスクトップ環境やアプリケーションを好んで使っている中で、自分がOSSを利用しているという意識が日常的にありましたし、そうすると半ば必然的に「OSSに関わってみたい!貢献したい!」という気持ちも芽生えて来て、でもその一歩が踏み出せていませんでした。

しかも苦い経験がひとつあって、abcde(A Better CD Encoder)というリッピングソフトをずっと使っていまして、2年くらい前にabcdeでqaacエンコーダが使いたいなと思ってスクリプトを弄ったりして、その記録をブログに残したりもしていたのですが、「これ、せっかく動いているんだからパッチを送ったほうがいいのでは?」と迷いました。でもqaacは動作にWineとApple Application Supportに含まれているライブラリが必須で、なんとなくグレーな気がして、その時はブログに書くだけに留めました。

しかし、最近調べたらissueが立てられて2.7.1でqaacが正式に対応されており、「もし自分がパッチを送っていたら、2年前にはとっくに対応してくれてたかもしれないんだよな…」なんて思っちゃって、今となってはどうして勇気が出せなかったのかなあと後悔しています。

まあそんなこんなで、参加者としてはドストライクじゃないのか!と。開催の2日前までウダウダしてたのですが、参加登録をしました。


当日会場に到着して席につくと、早速進行の方から「今日はどういう作業をしましょうか?」と話しかけられ、「そういえば数日前、portageでkshを入れようとしたらコケました」「じゃあそれでいきましょう!」と、あっという間に何やるか決まりました。

私が到着した時点では、もう会場に6人くらいいたのですが、「まだ参加者が2人しかいないんですよね〜」というぼやきを聞いて、え!?少ないな、なんて思ったり。最終的に参加者は4人、メンターの方はその倍、つまり作業中は両手にメンターという、参加者視点ではなんとも贅沢なシチュエーションでした。

大体の流れとしては、それぞれの参加者が対象にしているOSSをまず動かし、その時の作業ログをgithubのissueに書き、ログを見ながらフィードバックをする、ということをしました。時々進行の方がスライドをまじえて押さえるべきポイントを説明しているのを聞きつつ、各々作業していました。実際の作業ログについては、今もちゃんと残っているので興味があったらどうぞ。

問題の切り分けをするうえで、ebuildとソースの組み合わせを変えて試すというアイデアをメンターの方からいただきました。そして問題がソースのほうにありそうなことが分かったところで、今までの作業ログをまとめた文章を書きました。この時、別のメンターの方に「上に概要、下に詳細が来るように」とか、「組み合わせは文章ではなく、箇条書きにしたら?」というアドバイスを受けて、分かりやすくなりました。

次はそのまとめた文章を英訳したわけですが、最初は恥ずかしいので、一人で書こうとしていました。でも思うように訳が進まず、進行の方が「せっかくだから、メンターを頼りましょう!」と背中を押して下さって、自分の耳が熱くなるのを感じながら、メンターの方と3人で訳しました。「グローバルなプロジェクトほどネイティブな人は少ない」とか、「文法の正しさより、貼り付けるコードや内容のほうが大事」と言っていただいて、かなり気持ち的にも楽でした。

最後はGentooのBugzillaにバグレポートとして、英訳した文章を貼り付け、メンターの方に「開発者にとって必要な情報がちゃんとまとまって書かれているか」をチェックしてもらい、送信しました。私も立派にOSSに貢献できたわけです。やったね!


このように、全体を通してメンターや進行の方がサポートやアドバイスをしてくださって、安心感を持って1歩を踏み出せ、参加してとても良かったと思っています。バグレポートを送るとき、チェックが済んだらすぐに送信ボタンを押して、メンターの方に「自分が初めて送るときは30分くらい迷ったよ」言われ、自分でもびっくりするくらいあっさりしていたなと思います。

印象的だったのは、「役に立つ情報はドキュメントに書かれるべきだ」という話を進行の方がおっしゃっていたことです。私はブログにそういった内容が書かれていることで助かったり、自分も書きたいという憧れがあってブログを始めた面があるので、「ドキュメントとブログの棲み分けの線はどこら辺にあるのでしょうか?」と聞いたのですが、「情報が古くなっていったとき、ブログだと誰でも修正できるようにはできていないから、できる限りドキュメントに書いてあったほうがいいと思う」とおっしゃられていて、なるほどなーと思いました。


次回以降の開催は3/26(土)と5/28(土)に決まっているみたいです。OSS貢献の一歩を踏み出したい方、その手伝いをしたい方、ぜひ参加してみてください!

OSS Gate | Doorkeeper