ノンデザイナーズ・デザインブックを読んだ

本の表紙

実のところ半年前くらいに読んだまま、特典がほしいので感想でも書きたいなあと思ったまま今日まで放置してしまった。

本を買ったのは、ノンデザイナーズ・デザインブックを@h_okumuraさんがとりあげていて20周年であることを知ったのと、特典プレゼントキャンペーンをやっていて、本の内容も限定のpdfの内容も気になったため。

4つの基本原則

本の前半では4つの基本原則について、以下の順番で例を交えながら説明される。

  1. 近接
  2. 整列
  3. 反復
  4. コントラスト

この基本原則をみて最初に思い出したのが、放送大学の放送授業「人間とコンピューターの接点」で習ったゲシュタルト(プレグナンツ)の法則だった。個人的な理解で説明すると、「どのような形態がまとまりとして知覚される」かについて法則化されたものなんだけど、4つの基本原則のうちの近接、整列、反復は、「まとまりを持たせる」ための原則であり、その点でゲシュタルトの法則と似ているなと思った。

で、コントラストだけはその近接、整列、反復のうちの2つ以上を崩すことで強く印象づけるもので、自分がこの本を読む前で一番分かっていないことだった。思えば、「良いグラフィックデザイン」の奇抜なところとか目立つところはコントラストを効かせていたのか、ということを本を読んで分かった。自分はコントラストを効かせることは(ある意味で)秩序を乱すことで良くないことだと思っていた。

今までの自分がグラフィックデザインを考える時は、「揃えられるものは揃えておく(整列、反復)」ことを意識していて、「似たものは近くに配置したほうが分かりやすい(近接)」を無意識でやっていた。自分が考えてやったことについて崩すという発想がまったくなかったし、「揃っていればいるほど自分が考える良いデザインになる」と思っていたので、とても重要な気付きだった。

全体の感想

この本の良いところは、4つの基本原則がお互いに作用しているものでありながら、実際のグラフィックデザインを考える時のための順序づけをしてくれて、アウトラインが構成されているところだと思う。とても分かりやすかったし、実践に役立てられそうだと思った。

また、この基本原則に影響する要素が、グラフィックデザインにおいては配置、タイポグラフィ、色などがあって、それがまたお互いに作用しているわけだけど、それらをどうやって活かせばいいのかについても例やまとまった章で説明されているので、勉強になった。

「良いデザイン」ってなんだろう?どうすれば「良いデザイン」になるんだろう?ということに関心がある人には、きっと発見があると思う。読んでない人は読んでみると良いと思うよ。